mi-diary 〜くま好き女子のスイス生活〜

約5年の超遠距離恋愛を経て、2018年にスイス人と国際結婚。現在スイス東部ザンクト・ガレン在住のくま好き女子が、スイス生活をつづります。スイス〜ヨーロッパのアート・文化に関する記事も更新。

St. Gallenにはくまがいっぱい 〜その①〜

 

ブログのタイトルにもしていますが、私は「くま」が好きです。

子供のころから大事にしているぬいぐるみを発端に、くま愛は深まるばかり。

(とはいえ好きなタイプというものがあり、よくあるプーさんのぬいぐるみ類は心にヒットしないなど、選り好みはしています。オールドなプー本の挿絵は可愛い。パディントンは最近の映画も可愛かった〜。)

 

そんな私にとって、スイス生活の楽しみのひとつが街角で「くま」を発見すること。

スイスでは野生の熊は1904年に乱獲によって絶滅して以来、また近年になって数頭が出没し始めたという状況のようですが、昔は人々に近い存在だったのでしょう。至るところで、スイス人と熊の関係を感じさせられるものに出会います。

参考URL:https://www.swissinfo.ch/jpn/帰ってきたクマ_-この動物には畏敬の念を持つこと-/32977952

 

 

スイスで熊と言えば、名前が熊に由来する&州旗が熊であり、実際に熊を見ることができる熊公園(Bärenpark)も有名なベルン(Bern)のイメージがあるかもしれませんが、私が住んでいるザンクト・ガレン(St. Gallen)も、実は熊と由縁の深い場所です。

 

街の名前の由来にもなっている世界遺産ザンクト・ガレン修道院の礎を築いたアイルランド出身の修道士・聖ガルス(St. Gallus)。彼は熊に薪木を持って来させ、褒美にパンを与えたという伝承があるのです。

聖ガルスの出身地には別説あり:https://www.swissinfo.ch/jpn/聖人-せいじん-ガルスの謎_世界遺産のザンクト-ガレン市-守護聖人を祝う/32611132

 

この伝承から、1207年に神聖ローマ帝国下でUlrich von Sax候が修道院長に命じられてから1798年に現在のスイスの前身であるヘルヴェティア共和国に組み込まれるまでのザンクト・ガレン修道院領の紋章、そして現在のザンクト・ガレン市の紋章には熊が象られています。

 

ザンクト・ガレン修道院領の紋章

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 ◆ザンクト・ガレン市の紋章

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そんなおかげで、街の至るところに熊をモチーフにしたものを発見することができたときには、「ザンクト・ガレンに住んでいてよかったな〜」と思います。

そこでブログのタイトルの面目躍如(?)として、今日は私が街角で発見した「くま」をひたすら紹介していきます!「もう大体見つけただろう」と思ってはまた新たなものを見つけるので、「〜その①〜」としてみました(笑)。

 

 

 

街中編 

f:id:miho-teddy:20180723044943j:imageザンクト・ガレン旧市街地で見ることができる「Erker」と呼ばれる豪華な装飾窓。
Spisergasseには、王冠を手にした熊2頭が施されたものがあります♪ くまさん自体も王冠?帽子を被っていて、この何とも言えないポーズも可愛い。

前置詞「zu」には場所やレストラン等の名前を表す働きもあるらしいので、「zum Bären」は「熊さん亭」という感じでしょうか?可愛い。住みたい。(スイスの旧市街地では、こうして建物の号を表したものを他にもよく見かけます。近くには「zur Nichtigall=ナイチンゲール亭」なんてものも。)

 

 

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f:id:miho-teddy:20180722053306j:imageSpisergasseとMarktgasseが交わるBärenplatzには、その名も「熊広場」だけあって、熊の石像が佇んでいます。子熊っぽい感じで、背中が丸まっているフォルムが可愛い。ドイツ語学校に行ったり、買物に行くのにいつも通る場所なのでほぼ毎日この子に癒されています。人目を忍んで、こそっと撫でたこともある。

このくまさんは、ちょっと俯き気味なのが寂しげにも思えます。下から顔を覗き込んでみたら、猿ぐつわ(!)的なものをしているように見えてほのかに引いたこともありましたが、後日よく見たら、多分顔と鼻の部分をくっ付けた箇所に残った線でした(であってほしい)。

ここでは結構イベントをやっていて、音楽フェスのステージの後ろに隠れてしまっていたり、カラースプレーを使ったストリートアート系のお兄ちゃんがすぐ横で絵を描いていたりするので、そんな時はちょっと心配して見ています。

 

 

f:id:miho-teddy:20180723064934j:imageローカルなレストランやバーでは店先に金属製の飾りが出ていることが多く、それぞれお店に関係するモチーフが施されていたりして、見ていて結講面白いです。こちらはCoop City裏の「Spitalkeller two are pii」のもの。 駅と家の間の通り道にあるので、ちょっと見上げたときに嬉しくなります。

 

 

f:id:miho-teddy:20180723065752j:imageVadianstrasseの「bank CLER」が入っている建物には、州旗(緑)、スイス国旗と共に市旗が掲げられています。風に揺られてしまい、ベストショットならず。

 

f:id:miho-teddy:20180722052945j:image 上のスタンダードな旗と比べて、ちょっと気の抜けた熊。Schmiedgasseの、おそらくこの街で一番有名なErkerがある「Haus zum Pelikan」の横にいます。

 


f:id:miho-teddy:20180723065945j:imageショッピングの中心・Mültergasseのお菓子屋さん「Confiserie Roggwiller」の看板も熊。街の紋章に似ていますが、もしや持っているのはお菓子作りの泡立て器!?(超可愛い)……と思いきや、他の場所でも同じデザインを見たので、こん棒か何かかも(適当)。しゅん。あるいはレース等の繊維産業で有名な街だけあって、糸をぐるぐると巻くボビン(Spule)的なもの……?

 

f:id:miho-teddy:20180723064939j:imageこちらは同店の駅前支店のショーウィンドウ。「St. Galler Biber」というお菓子とその箱にも、横向きの熊があしらわれています。手前の大きなものは州旗のデザインです。まだ食べたことがないのですが、名前と見た目的に、ザンクト・ガレンから車で約20分、電車で1時間弱の山中にあるアッペンツェル地方の名物菓子・ビバー(Biber)と同様のものと予想。ビバーはジンジャーブレッド風味の茶色い皮の中に蜂蜜の甘みを感じる白いペーストが入った、おまんじゅうのようなお菓子です。

 

 

f:id:miho-teddy:20180723070019j:image既に場所が思い出せない写真が出てきたのですが、ガラスに映り込んだ窓の装飾的に、Spisergasseだと思われます。こちらも棒のようなものを持っている熊。お隣には竜を退治した聖ゲオルギウス(St. Georg)が描かれています。

 

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f:id:miho-teddy:20180723062147j:image上の二枚もうっかり場所が分からなくなってしまったのですが、立派な石造りの建物にも熊がいたりします。

 

 

 

博物館編 

ここからは、先日「Dresses − 500 Jahre Mode」という展覧会のために訪れたHistorischen und Völkerkundemuseum(訳してしまうと、歴史民俗博物館のようなもの?)で見つけたシリーズ。

建物自体は第一次世界大戦後に造られたものですが、展示物はもちろん、館内の装飾にも歴史的価値のあるものを持ってきているようで、なかなか古〜い感じの「くま」達が見つかります。

 


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f:id:miho-teddy:20180723064914j:imageステンドグラス。この地域のステンドグラスはフランス等と比べて質素というのか、幾何学的な枠組みに透明ガラスが嵌め込んであるだけのものを多く見ます。これはそこにカラーガラスの紋章を組み込んだもの。5つ中2つが熊でした。元は修道院にあったものでしょうか?

 


f:id:miho-teddy:20180723070115j:imageドア上の半円型の装飾。石彫で紋章を掲げた2匹の熊が施されたもので、1624年頃制作と思われます。紋章の中の模様が、プレッツェルみたいに見える……。


f:id:miho-teddy:20180723070124j:imageこれもおそらく何処かから持ってきた、壁面装飾の石彫。熊の手をギュッと握って抱える、鬼気迫った表情&内股の男性像。聖ガルスさんなんでしょうか。


f:id:miho-teddy:20180723070133j:image展示室を進んでいくと階段のところにひょっこり現れる、リアルな作風の熊像。可愛いような、ちょっと丸みが足りないような、昔ながらの高級テディベアにいそうな体型です。

 


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f:id:miho-teddy:20180722053256j:image上の2枚は、室内に置いてあるストーブの展示品から。冬の寒さが厳しいスイスでは、陶器製の大きなストーブ(兼オーブン?)が用いられていたようで、豪華な装飾が施されたものもあり、結講見ていて楽しいです。

紋章に描かれる、横向きで舌を出している熊たちは表情的に怖いものも多いですが、上の写真のストーブのように、立体的&顔の作り込みが甘いとキュートな感じに。男の人はピエロ的な格好の……誰なんでしょうか。服の模様にヒントが隠されている気がします。下の写真は、聖ガルスの伝承に則ってパンをいただいている熊さんです。割とリアルな絵柄ですが、もふもふ感が可愛いですね。

 

 

f:id:miho-teddy:20180722052939j:imageここからは室内装飾というより展示品です。解説をちゃんと読んでこなかったので、私の完全なるフィーリングのコメントです。一応西洋美術史を専攻していたんですけど、ちょっとここらへんは専門外で(言い訳)……。

木彫のこちらの熊は、人間的な細身のスタイルをしていて、なかなか精悍。顔も細くて、熊というより犬的なものを感じます。

 
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f:id:miho-teddy:20180723070128j:imagef:id:miho-teddy:20180723070138j:image上記3点は額装されていたため、反射光が入ってしまいました。時代を経て様々なデザインに熊が用いられてきたことが分かります。最後の写真にうっかり映り込んでしまった、にやけた顔をしているのがブログ主です。「くま」ハント中にうすら笑いをしていることに気付き、自分でちょっと引きました。


 

おまけ

f:id:miho-teddy:20180723070153j:image空き店舗のガラスに落書きされていたのも、くま。

目のところの「Po」は某プーさんのことかな?と思いきや、ドイツ語であんまりよろしくない意味がございました。でも罪のない顔をしているし、いつ消されてしまうか分からないので、おまけとして掲載しておきます。

 

 

実は、肝心の大聖堂内部と外壁にも「くま」が描かれているのを発見しています。

昨日・今日と人を案内して大聖堂にも行っているのですが、内部は「神聖な場所で異教徒である私が、シャッター音を鳴らすのもな〜」という申し訳なさを感じる部分があり。また、外壁は入場料を払わなくてはならない修道院図書館の建物から見えるところに発見したのに、写真を撮っておらず……。また 〜その②〜 以降で、きっちりと押さえたいと思います♪

 

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