mi-diary 〜くま好き女子のスイス生活〜

約5年の超遠距離恋愛を経て、2018年にスイス人と国際結婚。現在スイス東部ザンクト・ガレン在住のくま好き女子が、スイス生活をつづります。スイス〜ヨーロッパのアート・文化に関する記事も更新。

お金をあげてよかったものか?

スイスは基本的に治安がよく、路上でホームレス・物乞い・押し売りといった類の人を見ることもほとんどありません。

隣国のイタリアやフランスの特に大都市では風景の一部と化しているくらい沢山いるのですが、そこは大きく違う点かと思います(この前、新婚旅行で行ったローマは本当にすごかった)。

 

ただ、そんな治安のよいスイスとはいえ、「日本ではあまり遭遇しない事態にあうなぁ」と思うのが、路上に待機している物乞いの人ではなくても、突然話しかけられて「お金を下さい」と言われること。

 

ある日、語学学校の帰りに街の目抜き通りを歩いていると、長髪(というよりロンゲという方がふさわしい?雰囲気)のヒッピー的な風貌+大型犬を連れた若い男性にドイツ語で話しかけられました。何を言われたか分からずに「ソーリー?」と言うと、流暢な発音の英語に切り替えて「少しお金を恵んでくれないか」と。

断ると笑顔で「そっかー、ありがとう!」という感じですぐに行ってしまったので、人通りの少ない時間帯でも怖くはなかったのですが......。

夫に報告すると「そういう人は大体ドラッグにお金を使ってしまうから、あげてはいけない」と言われて納得しました。

しかし、感じもいい人だし、英語の発音も流暢だったので、「その英語力を活かして働けばいいのに!」なんて思ったり。そんな彼は、今日も元気に(?)他の女性に同じように話しかけているのを目撃しました(笑)。

 

 

そんなこともありつつ、私は(申し訳ないけれども)基本的には物乞いの人たちにはお金をあげないことにしているのですが、昨日はちょっと「う〜ん?」と悩んだことがありました。

 

バカンスから帰ってきた義母に「ランチを食べにおいで」と誘われていて、夫の実家方面の電車に乗るため、駅前の券売機でチケットを購入中。70代〜80代と思しき、ひとりのおばあさんが私の横に立って話しかけてきました。

 

ドイツ語が分からない上に、おばあさんの声が本当に弱々しく、何を言っているのかが分からない。そこで「あまりドイツ語は話せないんです」とドイツ語で伝えてみたのですが、「4 Francs für Bus(バス代に4スイスフラン下さい)」と私にも分かる簡単な単語で言われてしまい……。

ちょうどお札は大きいものしかなく、コインも4スイスフランに満たない分しか持っていなかったので、英語とジェスチャーで「今、4スイスフランは持っていないんです」と伝えてみたのですが、おばあさんはそこに立ったまま。

 

上述した通り、基本的にこういったシチュエーションでは断ることにしているのですが……。

そのおばあさんは身なりも普通のスイス人老人といった感じで整っていて、杖はついていないとはいえ、脚も弱そう。

「もし本当に何らかの理由でバスに乗れないでいたら?」「もし家に帰れないで困っていたら、この人はどうなってしまうんだろう?」という考えが、頭の中に浮かんできてしまいました。

 

そんなこんなのうちに切符購入のお釣りで5スイスフランのコインをタイミングよく入手。

結局は急いでいたことと、基本的に性善説に従って生きていることもあり、「ここで渡さずに後でおばあさんのことを心配するのも嫌だから」と考えて、お金を渡すことにしました。「結局は夫が稼いでくれたお金だから、もし騙されて渡してしまえば夫に申し訳ない」という気持ちもあったのですが……。

おばあさんは「Danke!」と言って、バスの方向に向かって弱々しい足取りで去って行きました。

 

電車の中で色々と考えたのですが、結局答えは出ず。

お義母さんやお義兄さんに話すと、「あー、あげちゃったの?」と、やはりよくある手口なのかな?という反応。

夫は「駅前にはひとりチケット売り場でお金を求めてくる女の人がいるけど、ドラッグに使っていそうだから僕はお金は渡さない。でも身なりもよかったならその人ではなさそうだし、分からない。優しい気持ちであげたんだから、これ以上考えるのは止めた方がいいよ」とのこと。

 

この反応を見ると、おそらくスイス人だと大勢がお金は渡さないシチュエーション。するとやはり明らかに外国人の私だから、話しかけてきたのかな?とも思えてくるような。

 それ以来、駅前を通るときには「あのおばあさんがいて、同じことをしているのを目撃しないといいな」と思いながら、何となくチケット売場に目がいってしまいます。

 

終わってから思い出したのですが、何だかチケット売場でお金を求められるのはデジャブな気がするんですよね。その時は違う人だったし、自分たちが聞かれたのか他の人が聞かれているのを見たのかさえ分からないほど、記憶が薄いのですが……。

 

ということで、今回はちょっとお人好しすぎたような気もしてきているのですが。

本当におばあさんがお金をバス代に使ってくれましたように、そのお金で無事に家に戻って家族と笑顔で過ごしましたように、と願うばかりです。

 

そして「次回から、もし同じようなシチュエーション(普段は普通に暮らしている人で、偶然とても困っているのかもしれない場合)に遭遇したら、一体何と言って、どう対応するべきか……? 」と考えてしまうのでした。

 

 

そういえば前述の目抜き通りでは、爽やかな若者(大体20代くらいの2人組の場合が多いような)が、英語にも即切り替え可能で話しかけてくる場合も結構あります。

私は大体「学校に遅刻しそうで急いでいる(真実)」と伝えると「OK」とニコッと笑顔で諦めてくれます。夫と二人でいてドイツ語で話しかけられた後に「何だったの?」と確認すると、大体は何らかの署名か、または宗教系のトークが目的のようです。

 

その人たちよりも幼い少年少女〜10代の子たちだと、学校か何かの授業の一環でアンケートを取っているのかな? という場合も。

以前、スイスに来たばかりで今よりもさらにドイツ語が分からなかったときに、小学生の子に話しかけられて、「ドイツ語が話せない」ということも上手く伝えられずに去ってしまったことが。後ろから「日本人だね〜」と友達と話しているのが聞こえてきたから、ショックを受けずに理解してくれたかしら……。いま思い出しても「大人気なかった、申し訳ない」と思うばかり。

 

でも、明らかにアジア人なのにドイツ語で話しかけられる(外国人扱いされないorある程度は同化していると見なされる)というのは、有り難いことですね。

早くきちんと対応できるように、ドイツ語の勉強を頑張りたいと思います。

 

 

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